介護の現場でよく使う下剤の種類と効果
どうも^ ^
ケアルンです!
施設介護と言う仕事柄、下剤(便秘薬)を目にしたり、服薬介助をする機会が多いのですが、ひとくちに下剤と言っても
マグミットやラキソベロン、アローゼン、プルゼニド、レシカルボンや浣腸など
様々な種類があって、特に内服薬となると何がどう違うのかが正直よくわかっていませんでした。
気にはなっていたのですが、調べる機会もなかったので、ブログを始めたこの機会に調べたことをアウトプットしていきます!
あっ、一応新人の頃に直接看護師に聞いた事もありますが
「作用の違いだよ」
だとか
「処方する先生によって好みの違いがあるからね」
みたいなざっくりした説明しかしてくれず
うやむやしていましたので(笑)
ではまずは下剤の種類からみてみましょう!
下剤には大きく分けて
機械的下剤と刺激性下剤があります。
機械的下剤とは
便に含まれている水分量を増やす事で、硬くなってしまった便を軟らかくする効果がある下剤の事です。CMで耳にする、非刺激性下剤は機械的下剤の事です。
刺激性下剤とは
腸管を刺激し、蠕動(ぜんどう)運動を活性化させる効果がある下剤の事です。
※蠕動運動とは食道、胃、腸などの消化管が伸び縮みを繰り返す事によって、口から食べた食物をどんどん肛門まで運んで行く運動の事。
運ぶ過程で、食物は消化され、便となり、排出されます。
ここで
あっ、これが看護師が言っていた作用の違いって奴か‼︎
とやっと気付きました笑
ざっくり言うと、機械的下剤を使うのは便が硬くて出ない方向けだし、刺激性下剤なら蠕動の動きが悪くて出ない方向けなんだなって感じ。
機械的下剤と刺激性下剤にもそれぞれ種類があるので、更に細かくみてみましょう!
機械的下剤の種類
塩類下剤
硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウムなどの塩類は腸管に水分を吸収させにくくします。この作用がある塩類を用いる事によって腸内に水分を留めさせて、便に水分を吸収させて軟らかくさせる下剤です。
習慣性が少なく、長期的な服用が可能です。
糖類下剤
服用後、変化せずそのまま大腸まで達し、腸内の水分を増やす事で、便を軟らかくさせる効果がある下剤です。
言わずもがなですが、糖尿病の方は服用厳禁です。
塩類下剤と糖類下剤を合わせて浸透圧性下剤と呼びます。
膨張性下剤
腸内で水分を便に吸収させて軟らかくし、更に便の体積を増やす事で腸を刺激し、排便を促す効果がある下剤です。
即効性はなく、比較的緩やかに効くので他の下剤と併用させる事が多いです。
浸潤性下剤(しんじゅんせいげざい)
界面活性剤を用いる事により、便への水分の浸潤(染み込んで濡れる事)を容易にさせる下剤。
ただし、単体では効果が弱い為、刺激性下剤と併用する事も多いです。
※界面活性剤とは水や油など本来なら混じり合わない物や混じりにくい物を混ぜ合わせる為に使う物の事で、ここでは水と便を混じり合わせやすくしてくれてます。
因みに、とシャンプーとかにも使われてます。頭皮の脂を落とす為に。
刺激性下剤の種類
小腸刺激性下剤
大腸刺激性下剤
の2つに分かれます。
こちらは読んで字の如くです笑
小腸に作用するか大腸に作用するかの違いです。
更に大腸刺激性は
アントラキノン系とジフェニール系に分けられ
アントラキノン系は飲み始めは少量でも刺激が強い為、腹痛を伴って高い効果が期待できますが、常用して長期的飲み続けると刺激に慣れてしまい、内服量を増やさないと効果が得られなり、更に便秘状態を悪化させてしまうというリスクもあります。
逆にジフェニール系は常用する事による習慣性が少なく、症状に応じて服用量を調節できる液剤もあり、妊婦や胎児に使用する場合の安全性も高いです。
最後に、内服薬ではありませんが、浣腸や座薬などの肛門から直接挿入するタイプの下剤もあります。
こちらは、ひどい便秘の際に使用するもので、直腸を刺激し、排便を促します。特徴としては即効性がありますが、便が直腸まで降りてきていないと効果がありません。
また、緩下剤(かんげざい)と俊下剤(しゅんげざい)と呼ばれる下剤もありますが、こちらは種類のちがいではありません。
作用が比較的緩やかな下剤を総称して緩下剤
逆に作用の強い下剤の総称が俊下剤となります。
※同じ種類の下剤でも、用量が変われば緩下剤、俊下剤のどちらにもなりうる場合があります。
以上が大体の下剤の種類ですが、何となく理解できましたかね?
じゃあマグミットやラキソベロンってどの下剤に当たるのか?
介護現場でよく使われるような下剤を振り分けてみました。
塩類下剤
一般名 酸化マグネシウム
商品名 マグミット マグラックス カマ
大腸刺激性下剤アントラキノン系
一般名センナ
大腸刺激性下剤ジフェニール系
一般名 ピコスルファートナトリウム
商品名 ラキソベロン ラキソデート
座薬
総称名 レシカルボン
ここで気づいたのは、マグミットは、習慣性がなく長期使用でもリスクが少ない塩類下剤だから多くの入居者が毎食後とかに常用して内服しているんだなって事。
逆にプルやアローゼンは効果は高いけど常用すると便秘が酷くなる等のリスクがあるから、便秘数日目からの頓服として出されることが多い。
また、ラキソベロンは量を調整できるし、習慣性も少ない、使い勝手の良い下剤であるから多くの入居者に様々なタイミングで使用しているんですね。
他にも入居者の便秘のタイプや、持病、薬の飲み合わせ等ありとあらゆる理由があっていろんな下剤を使い分けされていると思いますが、今回は現場でよく使う下剤限定でお伝えしました!
まだまだ、こんな下剤があった!
とか
新しい情報を仕入れた!
って事があれば
追記していきますね!
それでは失礼します(^_^)/